ERARE
Category X Threads

gaming 2024-05-08

絶望の箱

終わりの始まりか

Despair Xbox / Bethesda

MS、Bethesdaに突然起きた最悪の出来事。
高評価を受け、最近PS5版のリリースもされた”Hi-Fi Rush”や”Ghostwire: Tokyo”、“サイコブレイク”で知られる日本のスタジオTango Gameworks, 2017年の”Prey”や厳しい評価を受けた”Redfall”のArkane Austin, そしてモバイルゲーム”Mighty Doom”を運営してたAlpha Dog Gamesの閉鎖が明らかになった。Microsoft shuts down Bethesda studios behind Redfall and Hi-Fi Rush - The Verge
またRoundhouse StudiosのZenimax Onlineへの統合も判明した。

Arkane Austinに関しては、一部の社員は他のスタジオに参加するとしている。さらに一部のパブリッシングチームおよび企業チームにわたる少数の役割も廃止されるらしい。

SteamDBで直近に開発の動きが確認できたのにもかかわらず、“Redfall”のアップデートは前回のもので終了し、DLC購入者には”良いオファー”の補償が行われるという。“Mighty Doom”は8月7日にサービス終了とのこと。

Redfallに関しては、IGNが5月のアップデートでオフラインプレイに対応予定だったと報道しており、今月にアップデートが配信される予定なのに、いきなり閉鎖するという狂った状況となった。 (UPDATE 2024/06/02: 結局、その後アップデートは配信された)

Matt Bootyは社員向けのメールで”タイトルとリソースの優先順位の変更”が今回の閉鎖の理由としている。今後は収益のでかいCoDなどを優先していくのだろう。過去にActivisionが”CoD工場”から脱却され、他のタイトルも作れるようになるなどと噂されていたが、今となってはありそうもない。今回の統合により”ゲームと新規IPのポートフォリオにさらに深く投資できるようになる”などと言っているのが腹立たしい。

過去にMatt BootyはRedfallの酷評を受け、Arkane Austinを閉鎖しないと明言していた。また、Aaron GreenbergはHi-Fi RushがヒットしたとXに投稿していたが、今回閉鎖に至った。MSのリーダーシップは噓まみれだ。

Phil Spencerが去年TGS期間中にTangoに訪問し、“素晴らしい時間”を過ごし、開発中の新作ゲームらしきものをプレイしていたが、遊べたのはP3だけで、ユーザーは見ることもできなかった。また過去に”将来的に日本独自のAAAタイトルを期待できる”と言っていたが、(VGC) Tangoは閉鎖を遂げた。Lies of P(hil)になりそうだ。恐らくPhilが決定したわけでは無いのだろうが、日本市場に向けたこれまでの活動は全て台無しになった。日本のXboxはもうだめだろう。もう”Hi-FI Rush 2”や”Ghostwire: Osaka”、ヒーローダイス復活などのチャンスが無いのが、とても悲しい。

他のスタジオの閉鎖も怖い。もし今後も閉鎖が続くのであれば、21日についに”Senua’s Saga: Hellblade II”を出すNinja TheoryやCompulsion Games、Double Fineあたりが対象になりそうで怖い。開発者もこの状況を恐ろしく感じているだろう。

今回の発表の数時間後、Xbox Wireにて新コントローラー”Fire Vapor Special Edition”が発表されたのだが、“Feel the Burn Today”と完全に煽ってるキャッチフレーズを付ける酷い”偶然”が起きた。(Windows Central) 現在はそのフレーズは削除されているが、そもそもこの日に燃え上がるコントローラーを発表するべきではなかっただろう。

Fire Vapor Edition

今年に入ってからのレイオフやマルチ展開でだいぶユーザーの士気は低下していたが、今回の閉鎖は長年MSが積み上げた信頼性を完全に破壊した。9兆円ほどかけたABK買収が完了してから、全てが狂い始めた。今となっては2013年のXbox One炎上時よりも悪い状況だと言える。

ビッグテックの買収を応援したことを後悔せずにはいられない。ABKの買収はMSの上層部からゲーム事業に対し厳しい目が当たるきっかけとなったのだろう。利益を重視するゲームの理解が疎い経営畑の人間により滅茶苦茶にされたのではないか。それがビジネスか…

最近だとTake Twoによるスタジオ閉鎖もあったし、ゲーム業界全体の状況は悪化しているが、今回のスタジオ閉鎖は特に酷い。MSに対してEmbracer Groupと肩を並べるほどの悪い印象を持つようになった。もう今後2度と買収はしないでほしい。

Xや各メディア、Reddit、そしてOthereraでも絶賛叩かれている。あらゆる陣営のファンボーイも皆MSを非難している。まあ叩かれて当然だが
ただこの絶望の中、箱にしがみつき、運命を共にする覚悟ができているファンボーイはいるのだろうか?

やはりTangoの閉鎖は理解不能すぎる… “Hi-FI Rush”の売上が理由なのだろうか?それならレーティング登録されてたSwitch版を出すまで閉鎖する必要は無いだろう。しかし今月のHumble ChoiceにHi-Fiが入ってるのでやはりそういうことなのだろうか。Arkane Austinは”Redfall”がアレだったのが大きな理由だろうけど、個人的には良作だったので残念に思う。

Phil Spencerらゲーム部門のトップはもう引き際だろう。マーケティングも他社と比べて劣っているし、何より買収の成果が挙げられていないと感じる。閉鎖を決定したのはPhilじゃないだろうが、こうなった責任は負うべきだろう。

これが悪夢であってほしかった。今回の件でファンボーイズムがまだ流れている自分は大きく傷ついた。なのでしばらくの間SNSなどからは離れることにした。しかし一番傷ついているのは職を失った社員。とても気の毒に思う。そしてXboxファミリーなどと言っていた時期が恥ずかしい。