
救われることのなかった幸福を望む男が外階段をふらつき、最後に見たもの
それはまるで幻想世界のようなイルミネーションの輝く、過去の思い出がフラッシュバックして行進するパレード的走馬灯
その果てで男は決意を固めた
「この国の輝きはマヤカシだ」
クリスマスの夜、他人を巻き込む勢いで屋上から飛び降りる
その結果、ぐちゃぐちゃの体は新たなパレードの贄となった
それから数日後、世間は来年へのカウントダウンで大盛り上がり、翌日にはお正月ムードでお祭り騒ぎだった
誰も結局”苦しむ側”を見ていない、サンタクロースが空を舞う内にエンタメとして消費され尽くした程度の飛び降りでしかなかった
- 巻き添え: 0人
- 悲しんだ者: 614人
「そんな貴方に、もう一度世に復讐する”チャンス”を与えます」
目を覚ましたら、外階段を登り今にも屋上へ向かおうとしているその瞬間だった
輝く街並みに、トラウマの断片が溢れてる
空に浮かぶは死に損ないの自分
”あれ”にはなりたくない
せめて、終わるならば理想的で悔いのない最期で迎えたい
それが救いを求めた再びの瞬間だった
持ち物も何もないが、無我夢中でXXXXXの先へ。
再びの挑戦で突き上げた拳
天で硬直する自分まで届いた全てが破壊された
街はぐちゃぐちゃになった
ガラスが割れるかのように脆く、繊細で美しい
男の目に映る光景は、まさに本物の輝きだった
その日、パレードは中断になった
通常24時間営業・今回で34回目の中断
現責任者は始末書5枚目